起業家×作家、寺田健吾さんの小説『祈りのゆくえ』が面白い

こんにちは。
これといった趣味がない僕ですが、昔から読書だけは続けています。
普段はビジネス書を手に取ることが多いんですが、たまに小説も読んだりします。
昔は村山由佳さんのおいしいコーヒーの入れ方なんかも読んでいました。
そんな僕が最近、「この人、面白いな」と感じたのが、寺田健吾さんという方。
起業家であり、LGBTであり、そして小説家でもある。
彼の持つその「変わった経歴」や「多様な肩書」こそが、小説『祈りのゆくえ』の面白い切り口に繋がっているように感じて、すっかり魅了されてしまいました。
今回は、僕が寺田健吾さんとその作品に惹かれる理由、そして今後の活動に注目せずにはいられない魅力について、じっくりと語ってみたいと思います。
寺田健吾とは何者か?その「異色の経歴」が示すもの
まず、「寺田健吾さんって誰?」という方も多いと思うので、彼のプロフィールを簡単にご紹介します。
彼がユニークなのは、単なる小説家ではない、という点です。
若くしてビジネスの世界に飛び込んだ「起業家」としての顔を持ち、自身のアイデンティティとして「L(G)BT」であることを公にしています。この多角的な視点が、彼の人物像に計り知れない深みを与えています。
学生時代には小説を出版し、あの渋谷の有名な書店で初版が完売したという実績もお持ちです。
これは、彼が若い頃から人々を惹きつける物語を紡ぎ出す、天性の才能を持っていたことの証でしょう。
一度社会に出て、ビジネスの最前線で揉まれ、再び創作の道に戻ってきたという経歴は、彼の物語にリアリティと重層的な厚みを与えている大きな要因だと感じます。
ビジネス書をよく読み、自身も経営に携わっていた僕からすると、特に「起業家」という肩書は興味をそそられます。
事業を立ち上げ、様々なステークホルダーと向き合い、社会の複雑さを肌で感じてきた経験。
それが、彼の描く世界にどんな影響を与えているのでしょうか。
単なる空想ではない、血の通った人間ドラマが生まれる背景には、こうした実体験が不可欠なのだと思います。
思考の深淵に触れるnoteコラム
寺田健吾さんの文章の魅力に触れられるのが、noteコラム「初恋の味がするトマト」 だと思います。
〈仲間が一夜にして1億円を失った〉というショッキングな電話から始まります。
派手な成功と同時に心の空洞を抱える若い起業家ふたり。
銀座や六本木での豪遊、ハイブランドで埋め尽くされたクローゼット、桁外れの会計額。
数字もステータスも手に入れながら「幸せが何かまるで分からなくなっていた」状態に追い込まれていく様子が、ルポのような臨場感で綴られています。
やがて物語は、地方の温泉施設でふたりが湯船に浸かる静かなシーンへと転調します。
ここで友人が漏らす「結局さ、こういうのが幸せだったよね」というひと言。
派手な装飾の一切を剝いだ瞬間に立ち現れる本当の富こそが、本作の核心です。
タイトルにある「初恋の味がするトマト」は、離島の居酒屋でプレゼントされた一個のトマトを媒介に、「形ある資産をすべて失っても自分の中に残り続けるものこそが本当の豊かさ」 という気づきを象徴しています。
ビジネスの世界で数字を追いかける者ほど陥りやすい富の定義の誤認。
その錯覚を剥ぎ取り、「真の富=目に見えない価値」「幸せは買えない」 というシンプルだが重い真理へ読者を連れ戻すのが、このコラム最大の魅力です。
「瞬間の体積が時間になり、時間が人生になるなら、瞬間から変えていくしかない」
— 寺田健吾「初恋の味がするトマト」より
この一文に凝縮されているのは、“定義をクリアにしてから行動する”という彼のビジネス的思考と、“目に見えない価値を掘り当てる”という作家としての感性のクロスオーバーです。
『祈りのゆくえ』で感じる ロジカルな構造 × エモーショナルな機微 は、このエッセーで語られる実体験がバックボーンになっているそう確信させてくれます。
noteコラム https://note.com/teradakengo/n/n694a1e10830a
小説『祈りのゆくえ』の「面白い切り口」を徹底分析
彼の思考の深さを知った上で、改めて『祈りのゆくえ』に目を向けてみましょう。
この作品は、フォロワー50万人を誇る人気恋愛作家「メンヘラ大学生」さんとの共著です。
この時点で、すでに面白い試みですよね。異なるジャンルの才能が交わることで、どんな化学反応が起きるのか。
僕が感じたこの小説の「面白い切り口」は、まさに彼の経歴と、先ほど触れたnoteの思想に隠されていました。
恋愛小説が描くのは、ままならない人の感情や非合理的な心の動きです。
しかし、寺田さんの作品には、このエモーショナルな世界観の中に、極めて冷静な「構造」が見え隠れするように感じます。
例えば、登場人物たちの心のすれ違い。
それは単なる「気持ちの問題」として片付けられるのではなく、「言葉の定義のズレ」や「主観と客観の混同」として、極めてロジカルに描かれているのではないでしょうか。
一見、非合理に見える恋愛の葛藤が、実は明確な原因に基づいて発生している。この視点は、多くの恋愛小説とは一線を画す、非常にユニークな点です。
ビジネス的な思考を持つ彼ならではの作風と言えるでしょう。
物語の展開に「意図」や「構造」を感じさせながらも、登場人物の心の揺れ動きは繊細に描かれている。この絶妙なバランス感覚こそが、読者を強く惹きつけるのです。
また、彼が持つ多様なバックグラウンドは、物語に登場する人々の価値観にも深みを与えています。
一つの物事を様々な角度から見る視点が、ありきたりな恋愛小説に留まらない、複雑でリアルな人間ドラマを生み出しているのだと感じます。
なぜ、今後の活動から目が離せないのか
寺田さんは、これから商業出版も控えているそうです。『祈りのゆくえ』で見せたユニークな才能が、今後どのような形で花開いていくのか、本当に楽しみでなりません。
彼の活動に注目することは、単に面白い小説を読む、というだけでなく、「ビジネスとアートは両立するのか?」「多様な経験は、どう創作に結びつくのか?」といった、ビジネス書好きの僕の知的好奇心をも刺激してくれます。
noteで展開されるようなシャープな思索と、小説という形で表現されるエンターテイメント。この両輪を回していくことで、彼は「新しいタイプの作家像」を確立していくのかもしれません。
一人の人間が持つ多面的な魅力が、どう社会に影響を与え、新しい価値を生み出していくのか。そのストーリーをリアルタイムで追体験できるような、そんなワクワク感が、彼の活動にはあります。
まとめ:新しい才能に触れる、読書の醍醐味
今回は、僕が今注目している人物、寺田健吾さんをご紹介しました。
普段ビジネス書を中心に読んでいる方にこそ、彼の作品や活動は、知的な刺激に満ちた、面白いケーススタディのように感じられるかもしれません。
彼の人生のストーリーとが、これからどんな「物語」を生み出していくのか。
新しい才能に触れることは、読書の大きな醍醐味の一つです。
この記事をきっかけに寺田健吾さんに興味を持った方がいらっしゃれば、ぜひ一緒に彼の今後の活動を応援していきましょう。
まずは、彼の思考の深さに触れられるnoteをフォローし、そして『祈りのゆくえ』を手に取ってみてはいかがでしょうか。きっと、新しい読書体験があなたを待っているはずです。