農業は儲かるのか?農家は稼げるのか?

「農家は儲かるのか?」「農家は稼げるのか?」これは農業に興味がある人が最も気になる疑問のひとつです。
しかし、「農家」「農業」という言葉は非常に広く、一口に儲かる・儲からない、稼げる・稼げないとは言い切れません。
たとえば、家族経営の小規模農家と、大規模な法人経営の農家では収益構造がまったく異なります。
また、直販を中心に展開する農家と、卸売市場を活用する農家ではビジネスモデルが違います。
本記事では、「農家は儲かるのか?」という問いに対し、具体的なデータや事例を交えながら解説します。
1. 年収1000万円以上の農家は存在するのか?
農家の中には、年収1000万円以上を稼ぐ人も確かに存在します。
しかし、その多くは規模の大きな農家であり、全国的に流通する作物を卸売市場向けに生産しているケースがほとんどです。
1-1. 高収益の農家はどんな農業をしているのか?
一般的に、高収益を上げる農家は以下のような特徴を持っています。
- 産地として確立された地域での大規模経営
- 例:北海道の大規模酪農、九州の茶畑、東北の米農家
- 卸売市場や企業と契約し、大量生産・大量出荷を行う
- 卸売でありながらある程度価格の安定した売り先
- 農地の集積・機械化進んでおり、効率的に作業を行う
- 作業効率の良い畑を確保し大きな機械が使える
こういった農家は、安定した販路を持ち、収益性の高い経営をしています。
ただし、設備投資が大きいため、初期費用も高額になる傾向があります。
農産物は1つが安く、収穫期が限られ長期保存が可能な物ばかりではないのでおおきな売り上げを出すには収穫期は収穫出荷作業に集中せざるを得ません。
販売は任せたうえで、価格が安定している作物、産地であることが収益に直結します。
1-2. SNSで発信している農家との違い
ネット上でよく目にする農家の多くは、小規模で個人経営に近いスタイルの農業を行っていることが多いです。
- 直販中心でブランド化を狙う農家
- 加工品販売や観光農園を併設している農家
- SNSやYouTubeで情報発信しながら販路開拓する農家
こういった農家は、販売価格をコントロールできるため、うまくいけば高収益につながりますが、売上が不安定になりやすいというデメリットもあります。
ただ収穫期に販売活動、発信を行うため生産量は少なくなります。
年収1000万以上を目指すには、スタッフを抱えチームを大きくする必要があります。
一方、大規模農家は市場を通じて大量に販売するため、SNSでの発信が不要なことが多いのです。
2. 大規模農家がSNSで発信しない理由
2-1. 発信するメリットが少ない
大規模農家は、すでに確立された販路を持ち、市場や企業を通じて安定した販売ができています。
そのため、SNSを使って消費者に直接アプローチする必要がないのです。
例えば、大手のキャベツ農家や米農家が「今日の収穫!」と発信したところで、それが直接売上につながるわけではありません。
2-2. SNS発信の時間が取れない
大規模経営の農家は、作業スケジュールがタイトであり、SNS発信に時間を割く余裕がないことも多いです。
- 早朝から夜まで作業が続く
- 機械のメンテナンスや事務作業も多い
- 経営管理や人材育成に時間を取られる
これらの理由から、SNS発信に力を入れるよりも、農作業や経営管理に集中する方が合理的なのです。
農業に興味をもった人が目にするSNSの多くは小規模で直販志向の農家が多いことを忘れてはいけません。
2-3. 企業との契約があるため
多くの大規模農家は、食品メーカーやスーパーと契約しているため、個別の消費者向けに発信する意味があまりありません。
むしろ、取引先との関係を優先し、情報を外に出さない方が得策な場合もあります。
3. 小規模でブランディングするのはレッドオーシャン
小規模農家がSNSを活用し、直販やブランド化を進めるのは有効な戦略ですが、実際には多くの農家が同じ手法を試みており、競争が激化しています。
3-1. すでに多くの農家がSNSで発信している
近年、InstagramやYouTubeなどで農家が発信するケースが増えています。
直販していて何もSNSをしていない農家の方が珍しいでしょう。
そのため、フォロワーを獲得し、商品を売るためには他の農家と差別化する必要があります。
しかし、栽培方法のこだわりで差別化をするのは容易ではありません。
3-2. 価格競争に巻き込まれやすい
ブランド化に成功すれば高価格で販売できますが、知名度が低い段階では価格を下げて販売する必要があるため、利益が出にくいこともあります。
3-3. 発信力がないと売れない
SNSを活用する農家は、商品だけでなく「自分自身」を売り込む必要があります。
しかし、すべての農家がインフルエンサーのように発信できるわけではないため、成功するのは一部の人に限られます。
美人、美男子、おしゃべりや説明が上手いなど才能が求められると言えます。
4. 農業は大きく稼ぎにくい分野である
年収1000万以上稼ぐ農家がいるという前提でありながら、農業には農地の制限があるため、一定の規模以上に拡大するのが難しい特徴があります。
4-1.天井がある
農地に限りがある限り売り上げに天井が明確にあります。
多くの面積を栽培しようと思えば機械導入のなどコストも上がります。
IT関係のように少ないコストで売上に天井がない分野に比べれば相対的に稼げない分野と言っても間違いではありません。
4-2. コストが高く、利益率が低い
農業は設備投資や人件費、肥料・農薬などのコストが高く、利益率が低くなりがちです。また、天候や市場価格の変動リスクも大きいため、安定的に大きく稼ぐのは難しい業界です。
4-3. 人に依存する部分が多い
農作業は多くの部分で人手が必要であり、完全な自動化が難しい分野です。
そのため、人材確保や労働環境の整備が課題となります。
5. まとめ:結局稼げる?
結論として農家はどの程度稼げるのでしょうか。
多くの農家を見てきた自分の感覚として新規就農者でも数年で平均サラリーマンほどの400~500万を稼ぐことは十分可能です。
もちろん誰でも可能ではないし、他の分野に比べて楽でもありません。
年収1000万以上を目指すのは新規就農者ではかなり少数であることも事実です。
単にお金持ちになりたいのであれば農業以外の分野をオススメします。
そのうえで農業には一生をかけるに値する魅力があります。規模を拡大し、大規模経営すれば年収1000万円以上も可能
ただし、初期投資や労働時間は膨大
SNS発信や直販は成功すれば高収益も狙えるが、競争が激しい
400~500万円の年収は十分可能だが、安定性には欠ける
「とにかく稼ぎたい」なら他の業界の方が有利だが、農業には独自の魅力がある
- 規模を拡大し、大規模経営すれば年収1000万円以上も可能
- ただし、初期投資や労働時間は膨大
- SNS発信や直販は成功すれば高収益も狙えるが、競争が激しい
- 400~500万円の年収は十分可能だが、安定性には欠ける
- 「とにかく稼ぎたい」なら他の業界の方が有利だが、農業には独自の魅力がある