果樹農家におけるアグリテック、スマート農業は役立つのか?【TOYOHASHI AGRI MEETUP】
皆さん、こんにちは!
次郎柿のしげはら農園、繁原大樹です。
今農業の世界ではアグリテック、スマート農業といった新しい技術で新たな農業の形に挑戦しています。
果樹栽培は農業の中でも機械化が難しく、何十年も大きく変わっていません。
その中でアグリテック、スマート農業は果樹農家にとって役立つものになるのか、僕なりの意見を書いていきたいと思います。
また僕が柿栽培している愛知県豊橋市ではTOYOHASHI AGRI MEETUPというイベントが行われています。その紹介もしていきます。
アグリテック、スマート農業とは?
まずそもそもアグリテック、スマート農業とは何かという話ですが2つは同じ意味合いです。
日本ではスマート農業、海外ではアグリテックと言われますが、農業「Agriculture」と技術「Technology」を組み合わせた造語です。
AIやロボット、ドローン、IoTなどの最新技術を用いて農業をしていこうという取り組みのことを指します。
僕はアグリテックの方がかっこいいのでアグリテックと言うことにします!笑
今後、農家は高齢化で数はどんどん減っていきます。気候も毎年のように異常気象と言われます。
その中で数少ない農家がたくさんの面積を栽培し効率よく生産していく必要があります。そのためにアグリテックは上手く取り入れていくべきものだと思います。
アグリテック活用事例
いくつか実際の活用事例も紹介していきます。
ドローン
ドローンは実際に農業の現場でもすでに活用されています。
農薬散布作業や種まきを行ったり、作物を撮影することで病害虫の発見に使われたりします。
ロボット、自動走行
重労働や繰り返し作業も多い農業ですのでロボットも活躍が期待できます。
農産物の運搬や収穫は色んな作物で試験されています。
またトラクターなどの機械の自動走行なんかは聞いたことのある人も多いと思います。ドラマの下町ロケットでもやってましたね。
ルンバみたいな自動草刈機もあるようです。
AIとビックデータ
今まで熟練の勘でやっていた作業もたくさんのデータを集めることで(ビックデータ)AIが最適な判断をすることができます。例えば田んぼの水をセンサーで見て今の生育状態だとどのくらい水を入れるべきかなど判断するというものもあります。
農産物の選果作業もたくさんの写真をAIに学習させることで自動で判断できるようになっています。
などなどまだまだたくさんの技術が農業分野で試されています。
アグリテックの課題
魅力的でもあるアグリテックですがまだあまり普及していない様に課題もたくさんあります。
一番はコストの問題です。便利で楽になっても費用対効果が合わなければ農家は導入できません。
最近はたくさんの農業分野のスタートアップ企業が出来たり、他分野の企業が農業関連分野に参入したりしています。その一方で農業生産に取り組んだ企業はほとんどが撤退しました。
これは厳しい言い方をすれば農産物を作っても儲からないから、農業関連の商品、サービスを作ろうということです。
ただもちろんどんなに素晴らしい商品、サービスを作ってもそれにより農家が儲かるようにならなければ普及していきません。
色んな農業分野のスタートアップ企業を見てきて、もっと農家を見た方がいいと感じることがあります。
農業分野の商品、サービスを作るということは農家がお客さんになります。なのに横文字ばかりを並べて説明しても僕ら田舎者農家はついていけません。笑
結局農家ではなく、周りのスタートアップばかり見ているんだよなと感じてしまいます。
一方で農家側ももちろんもっと企業側に意見していくべきなのかもしれません。
本当に現場で役立つのはどの機能で、その機能にはいくらまで払えるのか。お互いに寄り添って、腹を割って開発しなければと思います。
果樹農家で使えそうなアグリテック
冒頭にも書いたように果樹栽培は機械化が難しい分野です。
それぞれ形がちがう木で枝が入り組んでいる中を細かな作業をするのはなかなか難しいです。
その中で期待しているのはAI搬送ロボットです。
これは実際に我が家で試験した様子です。
輝翠TECK のAIアグリロボ、ADAMです。
重い荷物を載せて人の後をついてくるモードやA地点、B地点を自動走行で往復してくれるモードも試験しています。
果樹は収穫後の搬送が重たくて大変なので自動走行出来たら面白いと思っています。
もう1つは剪定枝の活用についてです。
果樹農家では毎年たくさんの枝がごみとして出ます。それを炭にして有効活用できないかと考えています。
TOWING の宙炭に出来るかなども検討しています。
TOYOHASHI AGRI MEETUP!
豊橋市ではTOYOHASHI AGRI MEETUPという取り組みがあります。
農家の課題を洗い出し解決できるアグリテックスタートアップ企業とマッチングしたり、企業のプレゼンコンテストを行いグランプリには総額1000万出るイベントもあります。
輝翠TECKもTOWINGもコンテストで受賞しておりその後豊橋の農家と実証実験をおこなっています。
もちろん上手くいくことばかりではありませんがこういった取り組み自体が産地や農家のPRにもつながると思います。
まとめ
アグリテックはまだまだ農業の現場において普及しているとは言えませんし、果樹では特になかなか導入できるものがなかったりしますが、すごいスピードで技術が進歩する中でいろんな情報をとっていきたいです。
今すぐに活用できなくても一緒に試験する中で可能性が見えてくるものもあると思うます。