農家とは肩書きの事なのか、姿勢のことなのか?積極的兼業農家のすすめ。
皆さん、こんにちは!
次郎柿のしげはら農園、繁原大樹です。
哲学っぽいタイトルで書き始めました。
農家はそもそも農業だけをしている専業農家と他の仕事もしている兼業農家がいます。
それに加えて今は農家に限らず、複業的な働き方も増えてきています。そんな中で農家とはどんな人を指す言葉なのか考えながら書いていきたいと思います。
視察でみた企業の農業参入
こんな小難しいタイトルで書こう思ったきっかけは先日、青年農業士という組織で視察研修にいったことです。
2か所見学させてもらったのですが、1つ目は有機栽培でミニトマトを栽培されている企業です。
この会社の社長さんはもともとIT分野の方で、有名なソフト開発をしていて後に事業売却しその資金等を元に農業分野に挑戦されています。
IT技術を生かし自動収穫ロボットなどを自前で制作したりもされているそうです。
今後期待される有機農業とスマート農業の掛け合わせに取り組まれています。
トマトの販売の他にロボットなどの販売やビジネスモデル自体のパッケージ販売などもされていくようです。
多くの資金調達もしており、かなり大規模な先行投資の経営なのかなと印象を受けました。
2つ目に見学させてもらった農場は、産廃などのリサイクルなどを行っている上場企業のトマトハウスでした。
この企業と福祉施設で農福連携で栽培されている形でした。
こちらもまだ始めたばかりでトマトの売り上げだけで黒字にはなってないようでした。
2つの農場とも企業が運営しています。かなり高額な先行投資で農業に参入しています。
ただ現状農産物の売り上げで経営が成り立っていない。この状況を僕たち小さな個人農家はどう見ればいいのでしょうか。
農産物の売り上げで経営を回す事が農家なのか
今回見させていただいたような企業参入を見て「農家ではない、農業として成り立っていない。」というのは簡単です。
ここでタイトル回収ですが、そもそも農家とはどんな人の事を言うのか。
確かに農産物の売り上げでコストを賄い、利益を出してまた翌年の栽培をするというのが一般的な農家で、理解されやすく美しく思われます。
農家とは農産物を生産することで生活する人の肩書の事だけでなく、農産物を生産し人や社会に価値を提供する人の姿勢の事なのかもと感じました。
スマート農業のように大きな先行投資がいる、農福連携で福祉分野に貢献するには今回のような大きな企業でないと難しい面もあります。
こういった分野に資金力のある企業、個人が挑戦することは農業、社会にとってとても意味のあることだと思います。
そして農産物の売り上げで回っていなくても新たな農業の形に挑戦する農家そのものです。
小さな個人農家はどう生き残る
今度カーボンニュートラルの取り組みなどで二酸化炭素を多く出している大手企業が農業分野に参入することが増えていくかもしれません。
農業で環境に負荷を掛けない有機栽培で農業してます、とか農福連携で栽培してますという社会貢献的な意味が大きかったりします。
そもそも農産物の売り上げで利益を出すつもりがない場合もありそうです。
この時僕たち小さな個人農家は「農業として成り立ってない」と批判している場合ではないです。
農産物の売り上げで経営が回っていようが、他の分野の売り上げで農業していようが生産量は増え単価に影響してきます。
この時農業を続けていけるのは農産物の売り上げで回してない企業になります。
小さな農家にとっては厳しい事態ですが、食料安全的には問題ないのかもしれません。
僕たちの出来ることは企業が参入しにくい作物で小回りの利く経営をしていくことなのかもしれません。
運よく果樹は企業参入が難しいと思っています。
そのあたりはこちらの記事に少し書いています。
それと最近ぼんやり考えている展望があるので最後に少し書きます。
積極的兼業農家
父は兼業農家で僕が農業を始めた時は本当に小さな農家でしてので、専業農家として食べていけるように必死でやってきました。
7年経ってやっと専業農家ですといえるラインまで来たのかなという感じです。
ただここからさらにステップアップしていこうと思った時に雇用が必要だと思っています。
豊橋の柿農家で常時雇用のスタッフを雇われている方はおそらくいません。もちろん正規の雇用も。
ここに挑戦していきたいと思っています。
そのために単に面積を拡大していくのではなく、農産物以外の収入があった方が良いと考えるようになりました。
僕はこれを積極的兼業農家と言っています。
農業で成り立たないから兼業するのではなく、農業を拡大するための兼業。
企業が他分野の売り上げを回すのに近いかもしれません。
ちなみにどうやったらいいのか、何をやるのかまだ何も決まっていません。笑
また報告しますね。
もちろん柿づくりもめちゃくちゃ頑張ります。
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