柿栽培
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【農家永遠の議論】1つの作物か複数の作物か?選択と集中。

繁原大樹
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しげはら
しげはら

皆さん、こんにちは!

次郎柿のしげはら農園、繁原大樹です。

農家にとって永遠のテーマでもある1つの作物を生産するのか、複数の作物を栽培するのか。

もちろん正解はないんですが、柿だけを作る農家としてこんな考えで経営してますよ、みたいなことを書いていきたいと思います。

決して他のスタイルの農家さんを否定するものではないのでご了承ください。

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単一経営と複合経営とは?

農業経営のスタイルとして単一経営と複合経営というものがあります。

「単一経営」とは販売金額の1番多い作物が全体の80%を超える経営の事を言うそうです。つまり1つの作物だけでなくても80%以上の割合を1つの作物が占める場合は単一経営をと呼ばれるわけです。

「複合経営」はそれに対して1番多い作物の販売金額が80%に満たない場合を言います。

僕の場合は完全に柿だけですので単一経営となります。

初めは複合経営だった

今は柿だけ、しかも次郎柿という品種の柿のみを栽培する完全な単一経営ですが、僕が農家になった時は、夏野菜も少し作っていました。

柿栽培は収穫になる10.11月はもちろんですが5.6月も忙しいのですが7.8.9月は少し余裕があるのでその時期に収穫、出荷出来る作物を作っていました。

柿の面積も少なかったのでこなせていましたが、今後柿を増やしていくのか、野菜も並行していくのか、他の果物も作るのかいろいろ悩みました。

結果自分は柿に集中して面積を増やす事にしました。

選択と集中

自分が選んだということも含めて、僕は就農初期は栽培作物を絞った方がいいと思っています。

1つの作物だけを作ってるとよくリスク高すぎない?と言われます。

ただ就農したてのまだ売り上げの少ないうちに分散のリスクなんて考えなくていいと思います。技術も知識もないうちは少ない作物に絞って時間とお金を集中させた方が結果は出やすい気がします。

経営において「選択と集中」という言葉があります。

特定の事業分野に経営資源(時間、お金など)を集中させることです。対義語は多角化とかになります。

農業と一言で言っても作物が違うと技術も経営の考え方も全然違うので就農初期は少ない作物に選択と集中をして極めることが経営を上手くいかせるポイントだと思っています。小さくても1つの作物で確実に利益を出していくことです。

選択と集中は作物だけに限らず経営全般においても言えると思っています。僕も今でこそ柿の授業やアグリテック試験、加工品開発、ネット販売など少し多角的に見えるかもしれませんが初めの数年は柿栽培に一点集中していました。しっかり良い物を作って農協に卸す事だけを考えていました。

生産と販売は両輪と言われることも多いですが、小さな個人農家が初めから両方やるのは難しいですし、栽培が未熟な物を営業していくのは得策ではないです。

栽培が80点は取れるようになったら販売や他の活動、また他の作物に多角的に広げていくというのが僕なりの農業における考えです。

単一経営のリスクと今後

もちろん選択と集中で単一経営にはリスクもあります。自然災害によって全滅することも考えられますが、それは複合経営でもかなりダメージが大きいので1年のイレギュラーなリスクに関しては収入保険でカバーする方が合理的だと思います。

一定程度の規模までは単一経営で売上を最大化していき、リスクは収入保険でとるというスタイルが小さな農家にとっていいのではないでしょうか。

もちろん単一経営がすべてとは思っていなくて収入保険では長期的なリスクは取れません。例えば僕で言えば柿が今後単価がだんだんと下がっていくことや選果場の維持が難しくなり売り先に困るなどのリスクはあります。

正直この辺りを最近はすごく悩んでいます。

柿の単一農家としてやってきて、ここから雇用を増やしながらより面積を増やしていくのか、他の作物も栽培するのか、農産物栽培以外に多角的に経営していくのかとても難しいです。

以前の記事にも書いたように地域の開発計画によって今後畑が減ったり、産地の維持が難しくなる可能性もあります。

長期的なリスクも考えながら経営していきたいです。

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まとめ

今回経営スタイルに関して僕の意見も踏まえて書きましたが、地域や作物によって正解は全然違いますし、初めから多品目栽培で成功している方も多くいます。

自分も新しいスタイルを模索しながら頑張っていきます。

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プロフィール
繁原大樹
繁原大樹
次郎柿の しげはら農園
愛知県豊橋市の次郎柿農家。 次郎柿の生産・販売だけでなく 加工品の開発・販売、アグリテックの試験、小中学校への出前授業、農福連携、剪定枝の有効活用、柿畑での柿渋染めワークショップなど様々な活動をしています。農家の現場目線の記事を執筆しています。
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