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新規就農者の作物選び。果樹農家はありか?【現役果樹農家が本音で書きます】

繁原大樹
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しげはら
しげはら

皆さんこんにちは!

次郎柿のしげはら農園、繁原大樹です。

実家が農家でなく新規就農者する新規参入者にとっての作物選びは永遠のテーマです。

ひとまとめに農業といっても作る作物によって経営スタイルは全く違います。農業というのは工業、商業と同じくらい広い意味の言葉だと思っています。同じ工業でも車を作っているのか家具を作っているのかで全く違うと感じると思います。

それと同じように野菜農家と果樹農家では全く違います。

そんな中で僕は果樹農家として果樹の新規就農は結構ありだと思っています。

今回はそんな理由についてかなり個人的な意見を書いていきたいと思います。

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新規就農ってどんな感じ?

まず新規就農について書きたいと思います。

新規就農は次の3つに分けられます。「新規自営農業就農者」「新規雇用就農者」「新規参入者」です。

①新規自営農業就農者
家族経営体の世帯員で、自営農業への従事が主になった者。いわゆる親元就農です。僕もこれになります。

②新規雇用就農者
法人等に雇用されることにより、農業に従事することとなった者。最近は農業法人に勤める形で農業を始める方も増えています。

③新規参入者
土地や資金を独自に調達し、新たに農業経営を開始した経営の責任者及び共同経営者。つまり実家が農家でなく1から起業する場合です。

今回の話は3つ目の新規参入者の話になります。

2019年に総務省から出ている情報によると新規就農に向けて、研修を開始し、支援が行われた新規就農者1,591人のうち、調査時点までに35.4%が離農しています。

これはちゃんと研修をしてステップを踏んでる方なので実際に農業を始めてもっと挫折している人は多いんじゃないかと思います。

しげはら
しげはら

なかなか厳しい世界ですね…

果樹農家に新規参入する方法

新規参入で果樹農家になる方法として、こんな手順で行けば上手くいくかもってのを僕なりに書きたいと思います。

まずは大切なのが地域選びですが果樹をやるなら果樹の産地を選んだ方が良いです。当たり前のことを言ってるようですが、果樹は野菜以上に栽培地域を選びます。

年中畑に植わっているので最低気温によって栽培が不可能な場合もあります。(野菜の場合植え付け時期を遅らせればいける場合もあり)

果樹は植えてから収益が出るまでに時間がかかります。桃栗三年柿八年です。

柿は本格的に収穫できるまでマジで8年ぐらいかかります。

そもそも果樹園のない地域で始めるのは生活費の余力が多くある場合を除いて厳しいです。

果樹の盛んな地域で木の植わったままで畑を買う、借りるというのが現実的です。

そんなことできるの?と思うかもしれませんが出来ます。

僕も農家を始めてから当初の3倍の面積になっていますが、ほぼすべて木の植わった状態で翌年から収穫可能な状態で貸して頂いています。

果樹の産地はどこも後継者不足が深刻です。大産地でも畑が借りやすかったりします。

先ほど新規就農者の離農率が高いという話をしましたが、原因の1つが農地を確保できないことです。

全国的に耕作放棄地が多いと聞くと思いますが、野菜の産地などは機械化で多くの面積をこなせるので大きな農家さんがどんどん借りて新地就農者が農地を確保するのは難しかったりします。

実際に果樹農家になるのにいきなりなるのはお勧めできません。

栽培技術、経営が身についてないこともありますが、一番は農地の確保の為です。

果樹であれば畑が借りやすいと書きましたが、いきなり借りるのは難しいです。貸す側も丁寧に管理してくれる方に貸したいと思っています。

そのためにも地域の優秀な農家さん、法人に研修に行きましょう。

その姿を見て地域の方と信頼が出来ます。もちろん技術、経営が身に付きます。

最低2年は研修することをおすすめします。研修期間に補助金が出る制度もあるので上手く活用できればうまく新規就農のスタートを切れると思います。

しげはら
しげはら

僕はまだまで経験が短いので研修先として適切かは分かりませんが協力はしていきたいと思っているので興味があればぜひ相談に来てください。

果樹農家がおすすめな理由

農地が比較的確保しやすいこと以外の果樹農家がおすすめな理由は企業等の大規模な新規参入の障壁が高いことです。

僕が新規就農した当初、柿の単作はめちゃくちゃ反対されました。柿じゃ食べていけないよ、今はミニトマトが儲かるからやりなと関係者によく言われました。

実際豊橋では高級ハウスがバンバン建ってました。ミニトマト農家の先輩に柿作ることをよく笑われました。

でも素人ながらにこんなに急にハウス増えたら作りすぎじゃない?と思いました。

僕は借金してハウスを建てる勇気もなかったので細々と実家の柿農家を手伝うところから始めました。

これをいうと怒られますが案の定数年前からミニトマトは供給過多で価格が下がりなかなか厳しい状況にあります。

先輩もすっかり僕に近寄らなくなりました。

誤解のないように言っておくとミニトマト農家でも上手く栽培、経営されてる方はいます。たくさん。仲の良い、尊敬している農家さんもたくさんいます。

これはどんな作物でも起こります。シャインマスカットなんかもかなり増えてきましたね。

儲かる作物は増えて、のちに単価が下がってきます。

この中でも果樹は木を植えて収益をあげるまでに時間がかかるので1.2年で栽培量が急激に増えることがありません。

なので数年で結果を出したい企業が参入することも少ないです。

逆に農家も急な規模拡大や売上向上も難しいわけですが比較的安定していると言えると思います。

しげはら
しげはら

低空飛行で安定してると言えるかも。

結論

もちろん果樹農家の新規就農が簡単なわけではありません。

正直、良い研修先と農地の貸し手に恵まれなければ厳しいですが、僕はありだと思っています。

ぜひ豊橋で柿を一緒に作りましょう。

熱量のある方ぜひうちに来てください。

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プロフィール
繁原大樹
繁原大樹
次郎柿の しげはら農園
愛知県豊橋市の次郎柿農家。 次郎柿の生産・販売だけでなく 加工品の開発・販売、アグリテックの試験、小中学校への出前授業、農福連携、剪定枝の有効活用、柿畑での柿渋染めワークショップなど様々な活動をしています。農家の現場目線の記事を執筆しています。
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