どうも、柿じぃです。
柿専門の農家をしています。
農業をするうえで自然災害対策は避けて通れません。
柿を栽培する中で最も恐ろしい自然災害の1つが春の遅霜です。
私も30年以上柿栽培をしてきた中で霜の被害にあったこともあります。
霜にあうと収穫量が9割減、全滅ということもあります。
被害を最小限に抑えるためにいろいろな対策がありますので紹介していきます。
霜の被害とは?
そもそも霜とは、氷点下に冷却した地面や物体に空気中の水蒸気が触れて昇華してできる氷の結晶を
指します。
朝起きて外が白く凍っている景色を見たことがあるのではないでしょうか。
冬はもちろん、早春にも油断できないのが霜の被害です。
予報気温が氷点下まで下がらなくても、翌朝には畑中が真っ白なんてこともしばしばあります。
たった一度の霜害で完全に枯れてしまうこともあります。
霜害のほか低温被害には凍害もあり、合わせて「凍霜害」と呼ばれます。
柿の場合は3.4月に芽が出てから霜が降りると枯れてしまい花芽がなくなってしまうことになります。
葉っぱが開いてからの霜は注意!
霜が発生しやすい条件
「放射冷却」という言葉を聞いたことはありますか?
日中に太陽光によって地面に蓄積された熱が、夜間に上空へ逃げていくことを指す言葉です。
放射冷却が起こるのは、雲ひとつない星空が良く見える夜です。。
放熱を邪魔する雲がなければ、地面に蓄えられた熱が上空へと一直線に逃げていくからです。
また、冷たい空気と暖かい空気を混ぜ返す「風」がない日や、湿度が低い日ほど放射冷却はいっそう強まります。
放射冷却が強い日、地表付近の気温が0度以下になると霜が降りやすくなります。
雲がなく星がよく見え、風がなく、0度付近まで気温が下がる日は注意が必要です。
風が抜けない畑は霜が降りやすい!
霜対策4選
①防霜ファン、風通しの改善
毎年被害のあるような畑では防霜ファンといわれる扇風機のような装置の設置を検討しましょう。
また風通しの改善も重要です。
防風ネットがある場合は開けておきましょう。
防風林がある場合は刈り込んでおくようにしましょう。
②草刈実施
草があると地温が上がりにくいので霜が降りやすくなります。
霜が心配されるときは草刈を実施しておきましょう。
④燃焼法「デュラフレーム」
畑で火を焚いて温度をあげる方法です。
早朝に行います。
私が常備している商品を紹介します。
この商品は1時間半ほど燃え続けてくれます。
10a当たり10~20個ほど使用します。
急に冷え込むこともあるので常備しておくことが大切です。
④葉面散布「アイスバリア」
アイスバイアと言われる葉面散布で被害を軽減できます。
柿の場合250倍で使用しましょう。
バイオスティミュラント系|肥料事業部|晃栄化学工業株式会社 (koei-chem.co.jp)
まとめ
4つの対策を紹介しましたがどれか1つを行うのではなく複合的に対策しましょう。
急に行うことは出来ませんので天気予報の週間気温予報をみながら早めに防風林の刈り込みや草刈を行い、燃焼剤や葉面散布剤などは常に必要数を確保しておきましょう。
売り切れになることも多いので早めに動くことが大切です。
適切な対策で霜被害にあわないようにしましょう。
春を制する者が果樹栽培を制す!
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